2017年 4月

    『 無料相談会 』 開催のお知らせ

    2017年04月3日

    「行政書士暮らしの相談センター」主催の『 無料相談会 』を下記の日程で開催致します。

    前回の平成29年2月2日(土)の無料相談会では、たくさんのご相談者がお見えになられ、大変好評でしたので、あらためて同じ会場において開催することになりました。また今回は、「社会福祉法人 三鷹市社会福祉協議会」様の後援をいただいております。

     

    ◎ 開催日 : 平成29年4月18日(火)

    ◎ 開催時間 : 10:00~16:30

    ◎ 会 場 : 三鷹市公会堂 さんさん館 2階会議室(1)

    ◎ 相続・遺言、会社設立・資金調達など

    ◎ 担当行政書士  菅井弘行(三鷹法務行政書士事務所)

              高橋元次(高橋行政書士事務所)

              竹内健一(ユーカリ行政書士事務所)

              星川和男(星川総合法務事務所)

              山本博章(山本法務事務所)

    ◎ 主 催 : 行政書士暮らしの相談センター

    ◎ 後 援 : 社会福祉法人『 三鷹市社会福祉協議会 』

    問題解消のために、経験豊富な行政書士が分かりやすくお話し致します。

    なお、ご相談時間は「30分以内」とさせていただきますので、あらかじめご承知おき下さい。

     

    当日は、時間帯によってはお待ちいただくこともありますので、電話またはFAXでご予約された方には、優先的にご相談を承ります。

    今すぐお電話またはFAXを!

    TEL:0422-24-7069  FAX:0422-24-7441

    元銀行「融資課長」の行政書士が教える~『法定相続情報証明制度』ってナニ?その①

    2017年04月5日

    【 5月から相続手続き簡素化=戸籍書類、1枚の証明書に 】

    3月28日(火)、ネット上に次の様な記事が「時事通信社」より配信されました。

     

     金田勝年法相は28日の閣議で、相続手続きを簡素化する「法定相続情報証明制度」を5月下旬から開始すると報告した。

     相続人が不動産登記の変更手続きなどに必要な戸籍関係の書類一式を登記所で1枚の証明書にまとめる仕組みで、相続人の負担軽減を図る。

     簡素化により、名義変更されずに譲渡を重ねた結果生じる所有者不明の土地や空き家の増加に歯止めをかける狙いもある。金田氏は閣議後の記者会見で「この制度を通じて相続登記が未了のまま放置されることを防止していきたい」と述べた。

     現行制度では、遺産相続で不動産登記変更や相続税申告、銀行口座解約、自動車の名義変更などを行う際に、窓口ごとに死亡した被相続人の出生以降の全戸籍謄本と配偶者や子どもなど全相続人の戸籍謄本が必要となる。これらの戸籍関係書類は手続きによっては返還されないものがある上、発行の手数料も掛かり、相続人の負担になっていた。

     新制度では、全国417の登記所に関係書類一式を提出すれば「法定相続情報一覧図」の写しを発行してもらえる。手数料は無料。当面は不動産登記手続きで利用可能で、法務省は他省庁や民間金融機関に働き掛け、官民いずれの手続にも使えるようにする方針だ。

     

    これだけでは、「この制度がどの様な経緯の下で考えられたのか?」「どういう内容の制度で、どんなメッリトがあって、どんな風に私達の生活の中で利用されていくのか?」といったことが「分かりづらい」と思われる方も少なくないのではないでしょうか。特に相続問題を考えるとき、とても重要な制度になりますので、これから数回にわたってもう少し詳しく説明をしていきたいと思います。

     

    元銀行「融資課長」の行政書士が教える~『法定相続情報証明制度』ってナニ?その③

    2017年04月21日

    今回からは、表記の「法定相続情報証明制度」について、少し具体的に説明をしてまいります。

    【 1 】「法定相続情報証明制度」はどんな制度なのか?

    「法定相続情報証明制度」は、これまで説明してきた通り、相続手続きを簡素化するための制度です。相続人の負担を軽減し、相続登記を促進する目的で創設されました。所定の書類を提出することで、戸籍謄本等の代わりになる証明書が交付されます。

    (1)この制度は、特に「相続した不動産や預金などの名義の書換え」に関わる制度といっても過言ではありません。

    (2)現在、故人(被相続人)の不動産や預金を相続人の名義に書換える際、登記所や金融機関から様々な書類の提出を求められます。遺言書や遺産分割協議書と並んで特に重要なのが、被相続人が生まれてから死亡するまでの戸籍謄本や相続人の戸籍謄本です。これらは、法定相続人の範囲を調べるために必要な書類になります。

    (3)例えば金融機関の場合なら、おいそれと名義書換えに応じてしまったがために、後になって他の遺族が現れて文句を言われてはかないません。それを避けるために、法定相続人が誰と誰なのか、戸籍謄本を隅々まで見て確認する必要が出てきます。私も前職の「融資課長」だったり「預金事務課長」だったりした時には、古い戸籍謄本の内容を読み解くのに、専門家に教えてもらいながら大変苦労した経験があります。

    (4)さらに、戸籍謄本を用意するのも大変な作業です。戸籍謄本を管理するのは市町村です。被相続人が生前に本籍地を変えたことがあれば、さかのぼって各地の役所に照会をかけなくてはなりません。広範囲に移動していた場合などは、それだけで大変な作業になってしまいます。「漏れなく謄本を集めるだけで数ヶ月もかかった」という話はザラにあります。

    (5)名義を書換えるのが預金だけではなく、株式であれば証券会社に、不動産なら法務局(登記所)に、戸籍謄本を含む各種書類を提出しなければならず、専門家(行政書士等)の力を借りずに自力でやり遂げるのは容易ではありません。こうした手続きを簡素化しようというのが、法務省が導入するこの「法定相続情報証明制度」ということになるわけです。

    (6)平成28年6月2日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2016」では、現在問題になっている「空き家の活用」や都市開発等の円滑化のために、土地・建物の相続登記を促進させる旨が明記され、「ニッポン一億総活躍プラン」でも既存住宅の流通・リフォーム市場の活性化のために、相続登記促進に向けた制度を検討することになっていました。

    (7)つまり、登記所や金融機関などの各所に戸籍謄本等を提出して、相続手続きを行なうことになる相続人の負担を軽減し、相続登記の促進を図るために、「法定相続情報証明制度」の創設が検討され、先の「その①」での記事の通り、5月下旬から開始される見通しになっています。

    (8)「法定相続情報証明制度」は簡単に言うと、『相続人が登記所に所定の書類を提出することで、登記官が認証文を付した「法定相続情報一覧図の写し」を交付する』ことになります。これが戸籍謄本の代わりとなり、相続手続きが可能になるということです。

    (9)それでは、もう少し詳しく実務上の流れについて説明していきます。この制度では、これまで説明してきたように、被相続人や相続人にまつわる戸籍謄本等を集めた上で、相続人が被相続人の「法定相続情報一覧図」を作成します。この「一覧図」を、集めた戸籍謄本等と併せて登記所に提出し、登記官による確認作業を経て、認証文を付した証明書が発行されます。

    (10)この証明書が、集められた戸籍謄本等の代わりとなって、例えば、遺産分割協議書などと併せて提出することで、所有者の名義の書換えができるようになります。

    (11)すなわち、現状では、相続人が登記所や金融機関などの様々な所へ、戸籍謄本等を複数冊提出しなければならず、大きな負担となっていました。しかし、この制度では、一度戸籍謄本等を揃えて登記所から証明書が発行されれば、後はそれを使って手続きを進めることができるわけですから、かなりの負担軽減になります。

    (12)もちろん、現状の戸籍謄本での確認作業というものがなくなるわけではありません。登記所には提出しなければなりませんが、それ以降は提出しなくてもよくなるわけです。私の前職での経験からしても、金融機関の側での戸籍謄本等のチェックが不要になるのですから、これは大きなメリットと言えます。

     

    元銀行「融資課長」の行政書士が教える~『法定相続情報証明制度』ってナニ?その②

    2017年04月11日

    【 遺産分けで公平性を追求=預貯金も一緒に遺産分割対象に 】

     今年に入ってから、家族間のもめごとや面倒な手続きがつきものの「相続」に影響を与える判例の変更や制度の創設に注目が集まっています。それは、より公平な遺産分割のあり方を示した昨年末の最高裁決定と、相続財産の名義書き換え等の簡素化を目指す法務省の取組みのことです。高齢化が加速する中で、相続の円滑化に向けて国も動き出した形です。

    (1)「遺産は公平に分けることが大事です。遺族の皆さんでよく話し合って下さい。」これが私達の基本的なスタンスであり、遺産を巡る悩みを抱えて来られる相談者に対して、まずはこの様な説明をするようにしています。

    (2)しかし、このごく当たり前な話しに思えることを、わざわざ強調するのには訳があるのです。それは、平成28年12月19日の最高裁大法廷で、『裁判所での審判で相続の取り分を決める「遺産分割」の対象に、預貯金は含まない』としてきた判例が変更されたからです。

    (3)すなわち、遺族間で争われた審判の決定で、『預貯金は遺産分割の対象に含む』とする初の判断が下されました。相続の話し合いや家庭裁判所での調停では、預貯金を含めて配分を決めるケースが多い為、実態に沿った見直しとなった形です。

    (4)この判断は、裁判官15人の全員一致の結論でした。過去の判例では、『預貯金は不動産や株式など他の財産とは関係なく、法定相続の割合に応じて各相続人に割り振られる』としてきました。また最近でも、平成16年の最高裁判決で『預貯金は法定相続分に応じて当然に分割される』とまでいっていました。

    (5)今回の最高裁大法廷では、決定理由の中で『遺産分割は相続人同士の実質的な公平を図るものであり、できる限り幅広い財産を対象にするのが望ましい』と指摘して、『預貯金は遺産分割の対象にするのが相当だ』と結論づけました。

    (6)新たな判例に従った場合、「兄は土地と建物、弟は預金全額」といった柔軟な分割もしやすくなります。

    (7)元々の今回の争いというのは、「特定の遺族に多額の生前贈与があった場合の、不公平な遺産分割の解消」がことの始まりでした。『預金約4千万円の相続をめぐって遺族2人が争い、1人が故人から生前に5千万円を超える贈与を受けていました。その為、もう1人の女性が「生前贈与を考慮せずに法定相続分に従って預金を2分の1(約2千万円)ずつ分けるのは不公平」と主張していた』というものでした。

    (8)1,2審は過去の判例に沿って女性の主張を退けましたが、最高裁大法廷では「2審の決定を破棄し、預金の分け方などを見直す為に、審理を2審の高裁に差し戻す」決定を下しました。

    (9)国税庁によると、相続財産全体に占める現預金の比率は約31%で、不動産の約43%に次いで高く、「相続でもめる要因になりやすい」のが実情です。さらにここ10年ほど、裁判所に持ち込まれた遺産分割のトラブル件数は、右肩上がりの状況が続いています。最高裁が遺産分割のあり方を見直す必要性は、もともと高かったというわけです。

    (10)今回のケースに限らず、相続での「生前贈与の有無」が不公平の原因となる事案が目立っていた為、「生前贈与も十分考慮して慎重に分け方を決めるべきだと最高裁も考えている」のではないでしょうか。

    (11)これまで説明してきたように、遺産の扱いというものがいかに遺族にとって難しい問題なのか、ということは理解いただけたと思います。そこで「手続きをいかに簡素化するか」ということを象徴するような見直しの動きが、政府内でも起きてきました。

    (12)この様な流れの中で、法務省では、「その①」の前回記事にもあるように、5月下旬から新たに「法定相続情報証明制度」という仕組みを導入する運びとなったものです。なにかと煩雑な相続にまつわる手続きを、少しでも簡素化するための一策となるのではと期待されています。

     

    ◎それでは、この『法定相続情報証明制度』というのは、どの様な仕組みとなっているのか?これについては、次回とさせていただきます。