2016年 8月

    元銀行「融資課長」の行政書士が教える~『信用保証協会』の豆知識④

    2016年08月3日

    【 信用保証協会の保証限度額はどれくらいなのですか?】

    ①1企業(個人・会社(組合を除く))あたりの保証限度額は、2億8,000万円です。このうち無担保で利用できる限度額は8,000万円で、さらにその中の1,250万円までは無担保無保証人の保証枠があります。

    ②ここで注意が必要なのは、「保証限度額は、あくまで制度上の上限額のこと」ということです。

    ③なぜなら、信用保証協会も金融機関も、基本的には企業規模や財務内容、保証人等の収入や資産背景、そして資金使途などを総合的に判断して審査をし、個別に限度額の目安を設けているからです。

    ④例えば、年商3,000万円の企業に対して、「年商の2倍以上にあたる無担保無保証枠一杯の8,000万円までが保証される」ということは基本的にはありません。

    元銀行「融資課長」の行政書士が教える~『信用保証協会』の豆知識⑤

    2016年08月5日

    【 信用保証協会の費用はどれくらいかかるのですか? 】

    ①信用保証料は、貸付金額・保証料率・保証期間・分割係数によって決まります。

    《 計算式 》信用保証料=貸付金額 × 保証料率 × 保証期間(月数)÷ 12 × 分割係数

    ②計算式で使われている「保証料率」は、責任共有制度の対象となっている保証なのか否かで異なります。

    ③なお、担保提供がある場合や「中小企業の会計に関わる指針」の適用状況が確認できる場合等には、割引の対象になります。

    ④都道府県や市区町村による自治体の制度融資では、この保証料率よりも優遇されています。特に市区町村の制度融資の場合には、さらに保証料の全額から一部を保証してくれるケースもあります。

    ⑤保証料ばかりではなく、利子補給制度によって利息の一部を負担してくれるなど、借りる側にとっては非常に助かる自治体の制度融資もあります。この様な制度については、制度融資を希望する企業が所在する都道府県や市区町村のホームページなどで確認することができます。

    元銀行「融資課長」の行政書士が教える~『信用保証協会』の豆知識⑥

    2016年08月8日

    【 保証付融資が返済できないとどうなるのですか? 】

    ①保証付融資を受けている企業が、財務状況の悪化で返済が滞り、延滞期間が一定の期間を過ぎると、金融機関は信用保証協会に「代位弁済」の請求をすることになります。

    ②「代位弁済」とは、延滞している借り手側の企業に代わって、信用保証協会が金融機関に元金及び利息を弁済することをいいます。信用保証協会が金融機関からの請求を承諾して代位弁済を行なうと、借り手の企業と金融機関との融資取引関係は終了することになりますが、借入金自体がなくなるわけではありません。

    ③信用保証協会では、代位弁済を行なった時点で、本来の借主である企業に対して代位弁済資金の返済を求めることができる権利(求償権)を持つことになるので、当然に企業とその連帯保証人に返済を求めます。その為、代位弁済後には、信用保証協会との間で、その返済についての交渉が始まることになります。

    ④実際のところは、保証協会債権回収株式会社(=「保証協会サービサー」)という回収専門の会社に業務委託し、その会社が交渉の「窓口」となります。

    ⑤信用保証協会では、返済の一部についてまとまった金額を一時金として要求したり、保証人や担保の追加を求めてくることが多いのですが、債権回収のために企業を潰すような強硬手段を取るようなことは、基本的には行ないません。

    ⑥ただし、信用保証協会も公的機関で、税金を直接または間接的に使っているという側面があるので、回収については何年かかっても諦めることはありません。自己破産したような場合はやむを得ませんが、そうでない場合には、何年、何十年かかっても残元金を全額回収しようとします。

    ⑦延滞状態が原因で代位弁済されてしまわないように、できるだけ早い段階で金融機関にリスケジュールの依頼をし、信用保証協会の同意を得て返済額を軽減見直しをしてもらう必要があります。

     

    元銀行「融資課長」の行政書士が教える~『信用保証協会』の豆知識⑦

    2016年08月10日

    【 信用保証協会の審査を通りやすくする方法はあるのですか?~その1 】

    《 信用保証協会に提出した方がよい追加資料はあります 》

    ①信用保証協会に融資保証の申請をする際に、決算書や試算表といった必須書類以外に、「事業計画書」「1年間の資金繰り予定表と過去の資金繰り実績表」「今後5年間の損益予定表」などを追加資料として提出することが考えられます。

    ②売上予定については、現時点で売上が上がっていなくても、3~6ヶ月以内には上がる見込みがありそうな売上については、現状での取組み状況を記載しておくことがポイントです。

    ③経費削減については、その削減項目と、「いつから」「いくらくらいか」「どの様にして」削減するのかを書くようにします。

    ④現在の厳しいデフレ経済の環境下で、計画的に売上向上の取組みを行なっていたり、または売上がなかなか上がらない中で経費の適正化を目指して経費削減に前向きに取組んでいたりすることが、信用保証協会の審査担当者に「資料」という目に見えるもので伝わるならば、その企業に対する評価も高くなるものと考えられます。

    ⑤過去の決算書とともに、将来どの様に企業が推移していくのかを説明する「資料」を提出することで、信用保証協会の担当者にとっても、1つの流れとして時系列で企業の取組み状況を見ることで、より理解を深めることができ、保証審査の時間短縮にもつながり、また保証審査においても通りやすくなるのです。

    元銀行「融資課長」の行政書士が教える~『信用保証協会』の豆知識⑧

    2016年08月11日

    【 信用保証協会の審査を通りやすくする方法はあるのですか?~その2 】

    《 信用保証協会の保証審査は9月が通りやすいようです 》

    ①9月は銀行の中間決算です。日本の銀行のほとんどは、3月が本決算で、9月が中間決算となっています。そして本決算はもちろんですが、中間決算においても、どこの銀行も株主や金融庁に対して、決算内容を良い形で報告したいと考えています。

    ②銀行は中間決算時の数字を良くしようとする為、融資残高のアップを図り保証付融資を積極的に推進しようとします。

    ③どこの銀行も9月に中小企業に保証付融資を積極的に売り込む為、各信用保証協会では、通常月の2~3倍の保証申請が殺到します。しかし信用保証協会では、9月が忙しいからということで、審査担当者の人員を増員することができません。あくまで現状の人員の中で、案件の審査をするしかないからです。

    ④信用保証協会では、このような事態に備えて、9月の案件持ち込みは15日頃を締切日としている場合が多いようです。そうすることで、信用保証協会も余裕を持って審査することができるからです。

    ⑤そこで銀行側でも、8月の最終週から9月5日頃までに企業からの信用保証協会への申請書類を預かり、必要事項を記入した上で、書類を信用保証協会に持ち込んでいます。

     

    ◎豆知識①~⑧のように、信用保証協会は信用力や担保力が不足する中小企業の大きな味方となっております。ただし、現在の自社の財務内容をしっかり把握し、さらに今後の返済予定や資金繰りをしかっり立てて、信用保証協会と上手に付き合っていくことが重要だということは言うまでもありません。

    元銀行「融資課長」の行政書士が教える~金融機関は決算書のココを見て融資審査をする!ポイントはこれだ!!

    2016年08月27日

    【 1 】重要なポイントとは?

    ①「決算書」や「財務指標」の話しをされると、それだけで拒絶反応を起こしてしまう経営者の方も少なくないかと思います。

    ②確かに金融機関の側で使われる財務指標はかなりの数になりますが、融資審査に大きく影響する指標は、実はそれほど多くはありません。

    ③特に重要な数字については、各指標の算出にあたり何度も使われることが多いため、それらの数字を改善できれば、自然と他の項目についても改善につながることになります。

    ④しかし、「どこをどうすれば良いのかが分からない」という方々も多いと思います。そこで今回は融資審査をする上で、金融機関の側が、「決算書のどの部分を特に注目して見ているのか」を説明いたします。

    【 2 】融資審査で評価を良くするための改善ポイントとは?

    《 1.『資本の部』が「債務超過」になっていませんか? 》

    (1)「債務超過」とは、今ある資産よりも負債の方が多い状態をいいます。

    (2)この場合の決算書では、『資産の部』の総額よりも『負債の部』の総額が上回っており、『資本の部』の合計金額のところ が △(マイナス)と表示されます。

    (3)対策としては、

    ①今後、利益を計上させながら徐々にマイナスを減額していく。

    ②早急な対応としては、会社に社長からの「借入金」がある場合に、それを「資本金」に充当する方法があります。

    ※ ただし、この場合には「債務免除益」が発生するため、その分について課税される場合もあります。

    (4)なお「債務超過」のままの状態では、新規融資が望めないばかりか、金融機関側の融資方針として、現在の既存の融資について完済を求められてしまう可能性もあり、危険な状態と言わざるをえません。早急に有効な対策をとる必要があります。

    《 2.毎月の返済財源は確保されていますか? 》

    (1)通常の場合、融資を受けた際の返済可能額の限度は『 税引き後利益 + 減価償却費 』となっており、基本的にはこの額を超えた返済は不可能となります。

    (2)もし税引き後の利益が出ずに赤字ならば、返済財源は減価償却費以下となるので、新規融資は難しくなります。

    (3)対策としては、「役員報酬」を減らして利益を出すことです。

    ※ 税引き後利益が赤字であっても、設備の除却損や土地の売却損等の「特別損失」に振り替えられる費用については、「特別損失」として計上して、営業利益において「黒字の確保」を図るようにします。

    《 3. 適正な減価償却を実施していますか? 》

    (1)税法上では、固定資産の減価償却は任意とされていますが、金融機関側では固定資産の適切な償却を行なっているか、厳しくチェックをしています。

    (2)対策としては、

    ①適正な減価償却を、毎期、確実に実施する。

    ②償却不足がある場合には、適正額となるまで償却を行なう。

    ※ 減価償却を年度によって実施したりしなかったりは、資金調達を検討する上では厳禁です。

    《 4.既存の借入金とのバランスはいかがですか? 》

    (1)前述したように、融資の返済財源は『 税引き後利益 + 減価償却費 』の合計額です。

    (2)新規融資を受ける場合、既存の借入金についてだけでなく、その新規融資分についても、返済財源を考慮しておかなければなりません。

    ※ 長期借入金の返済額合計(既存+新規)≧  償却前利益(税引き後利益+減価償却費)

    (3)また、「企業の長期借入金の合計額が、決算書上の返済財源額に基づいたときに、どれくらいの期間で完済できるのか?」という考え方があり、これを「債務償還年数」と呼んでいます。一般的には、良好な財務内容の企業では、この期間の上限は 10年 とされています。

    ≪ 計算式 ≫ 長期借入金の合計額(既存+新規)÷  償却前利益(税引き後利益+減価償却費)

    《 5.価値のないものが「資産の部」に計上されていませんか? 》

    (1)貸借対照表上の「資産の部」に計上されている資産には、いくつもの種類がありますが、その全てに額面通りの適正な価値があるとは限りません。

    (2)実際には価値がないものの例としては、

    ①流行遅れや傷みなどがある商品(在庫)の場合。

    ②名目だけの繰延資産。

    ③事実上、回収ができない売掛金(受取手形)。

    ④時価が簿価を大きく下回っている有価証券 など。

    (3)本来、これらの資産については、その現状に沿った会計処理が必要ですが、企業によってはこれらをそのままにして計上している場合が多く見受けられます。

    (4)しかし、このような場合でも、金融機関はこれらの資産について適正な相場に基づき、本来の正しい資産価値に修正した上で、評価を見直しています。

    《 6.税金の未払いはありませんか? 》

    (1)融資を申し込む際に、特に気を付けなければならないのは、「税金類の未払い」です。

    (2)とりわけ制度融資や政府系金融機関を利用した融資の場合には、それだけで「門前払い」となってしまいます。

    (3)ここで言われる「税金類」とは、基本的にはその種類を問いませんので、十分な注意が必要です。

    (4)なお、分割支払いが可能な場合や、納税の予定が確認できる場合に、例外的に融資が認められることもあります。事前に金融機関や当該機関に確認し、必要に応じて相談してみることも大切です。

     

     

    夏季休業日のお知らせ

    2016年08月6日

    8月11日(木)~16日(火)まで、夏季休業いたします。